ここでは、イスラム教の教義、歴史、な概論的な知識を紹介します。

イスラム教の基本知識

■イスラム教の始まり
イスラム教は、7世紀はじめにメッカ出身のムハマドによって開宗されました。ムハマドはアッラー(神)の声を聞くことの出来る「最後の預言者」として、「アッラーがただ1人の神、宇宙の創造主である。」というイスラム教の教えの布教にのりだしました。「イスラム」とは、アラビア語で 「アッラーへの絶対帰依」という意味です。ちなみに「アッラー」とは、固有の神様の名前ではなく、ただ「神」を意味する一般名詞です。日本人が「神様、仏様…」という言い方をするときに使うあの「神」です。では、イスラム教の「神」(アッラー)とは、いったい誰のことなのでしょうか?実はここに、世界の2大宗教、そして今はその「対立」だけが目立つ「イスラム教」と「キリスト教」の意外な関係が隠されているのです!

■意外な事実、「イスラム教」と「キリスト教」の神は同じ!?
イスラム教とキリスト教がそれぞれに呼ぶ「神」とは、もともとは「ユダヤ教」における絶対神「ヤハウエ」のことを指しています。イスラム教もキリスト教も、「ユダヤ教」から派生した宗教であり、本来は同じ神を崇拝しているのです。キリスト教は、紀元1世紀に、戒律の厳しい「ユダヤ教」から罪深く弱い人間をも救おうとしたイエスキリストを開祖として、その弟子たちが始めた宗教。その後約600年のときを経て「ユダヤ教」から飛び出したイスラム教は、ユダヤ教の「ユダヤの民のみが救われる」という選民思想と、キリスト教が育んだ「人間崇拝」「多神崇拝」(つまり、キリスト崇拝のことですね)を排除する考えが基本になっています。キリスト教とは、イエスキリストが開いた宗教ではなく、その弟子達による「キリスト崇拝」であって、キリスト自身は死ぬまで「ユダヤ教」の信者でした。このあたりの成り立ちの違いを考えると、イスラム教徒のことがちょっと分かりやすくなりますね。いずれにしても、始まりは同じ宗教だった、と考えると、対立の現状がとても愚かに思えてきます。

■イスラム教を信仰する地域、国について
イスラム教徒が居住する地域は、西アジア・北アフリカ・中央アジア・南アジア・東南アジアなどの、アジア、アフリカ圏が中心です。伝統的なイスラム教の中心地である中東、西アジアにはイスラム教を国教として、他宗教の崇拝を禁じている国もあり、中東にはイスラム教徒の約20%が集中しています。

■イスラム教と他宗教の大きな違い
世界で有数の宗教と言えば「キリスト教」「イスラム教」「仏教」ですが(本当は仏教よりもヒンズー教のほうが信者人口は多いです)、キリスト教や仏教と「イスラム教」が大きく違うのは、その教典のでき方にあります。例えば、現在のキリスト教の教えとして使われる新約聖書は、キリスト自身が書いたものではなく、その弟子達がキリストの教えを伝聞、解釈して書いたものであり、仏教の教典も同じく、仏陀の死後、のちの弟子達が聞き伝えをもとに書いたものです。また、キリストや仏陀は神ではなく人間ですから、これらの宗教は、ある意味、人間崇拝なのですね。これに対して、イスラム教は、神が直接、預言者ムハマンドに語った言葉が、リアルタイムで人間の解釈なしで書き留められたもの、とされている点です。(もちろん「と、されている」ということであり、捉え方の問題ではあるのですが)。そのために「コーラン」は、キリスト教の聖書や仏教の教典のようなストーリー性を欠いている、とも言う学者もいます。でも、その分、解釈や邪念、脚色を差し挟む余地がないという意味で、信者の敬虔さが特別なのかもしれませんね。

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