■日本人には理解が難しい、宗教間の対立。
過去から、戦争の大きな理由となってきた「宗教」。宗教が生活に占める深度が浅いと言われる私達日本人にとっては、なかなか理解しにくいですよね。これはやはり、日本が島国だということに起因している部分が大きいように思います。世界の多くの国々には、足で踏める場所に「国境」があり、他の国民や民族と常に隣あわせで生きています。民族の成り立ちも複雑ですし、それにともなって政治面でも多くの抗争や怨恨がつきまといます。そんな中で「宗教」は、その争いの格好の旗印になってしまったんですね。つまり、多くの宗教対立の裏には、民族問題、血族問題、政治問題などが隠れているわけです。
■宗教、宗派対立の代表的「悲劇」、イラク問題。
中東の紛争として代表的な「イラク内戦」、「イラン・イラク戦争」そして、アメリカによるイラクへの軍事介入などには、常にイスラム教の宗派対立である「スンニ派vsシーア派」の問題が複雑に絡んでいます。そこに、本来の民族紛争や経済問題、欧米諸国の代理戦争の要素が絡み合って、さらにややこしくなっているんですね。国家間の宗教対立の話では、イスラム教とキリスト教の宗教観の違いがどうしても出てきますが、同一宗教内の宗派の争いの上に、異宗教間の排他意識が渾然一体となったのが中東問題なのです。