■イスラム教の実践は「六信五行(ろくしんごぎょう)」
イスラム教徒としての「おつとめ」には「六信」(6つの信じるべきこと)と、「五行」(5つの行うべきこと)があります。テレビなどでもよく見る、イスラム教徒が地面に頭をつけて祈るあの「礼拝」も、この中のひとつなんです。
1.六信
<神>アッラーのことを唯一絶対の神と信じること。
<天使>ムハンマドに神からの啓示を伝えたとされる、天使ガブリエルのこと。
<啓典>神の啓示、主に「コーラン」のことです。もともとは、神が天使を通じて人類に下した140の啓示のすべてを指していて、モーゼに下された「五書」(創世記、出エジプト記など)、ダビデに下された「詩篇」、イエスに下された「福音書」なども含まれています。(ここでも、キリスト教との近い関係が分かりますね)。でも、最終的には、神の啓示の完成形とされるのは「コーラン」のみである、という考え方です。
<預言者>神は、人類創世以来幾人かの預言者を遣わして、人間に正しい規範を示したとされ、イスラム教の教典「コーラン」には、そのような預言者が28人登場しています。その中の最後の預言者が、ムハマンドです。
<来世>イスラム教における終末思想。人間は最後に起こる天変地異(終末)の際に、現世での行いによって、天国と地獄に振り分けられるという教え。これはキリスト教にある「最後の審判」と同じ考え方です。
<天命>過去・現在・未来において、世界に起こるいっさいの事柄は、あらかじめ神によって定められているという考え方。<来世>は「行いによって振り分けられる」とあるのに、<天命>では「あらかじめ定まっている」とは、個人的には今ひとつよくわからない気もしますが、神の絶対性を現しているということなのでしょうか…。
2.五行
<信仰告白>「アラーの他に神なし。ムハンマドはその使徒なり。」と、声に出して唱えます。
<礼拝>1日五回、メッカの方向に向かって祈ります。自らを低くして、偉大な神をたたえる行為です。
<断食>イスラム暦第9月(ラマダーン月)に、30日間の昼間の断食を行います。
<喜捨>宗教税、救貧税、などとも呼ばれ、義務化された弱者への施しのこと。金銭、穀物、家畜など、所有する財産に応じて課税率が定められていて、貧者、旅人、孤児などに与えられるようになっています。
<巡礼>コーランでは、「メッカのカーバ神殿への巡礼は、そこに旅する余裕のある者にとって、神への義務である」と説いていて、イスラム暦第12月の7日から10日にかけて、信者の巡礼が一斉に行われます。
行為が義務化されている、という点においても、キリスト教や仏教とは違いがあります。信仰が行動や実践にきちんと反映されることに重きをおいた宗教なんですね。